肺塞栓症研究会 名誉世話人 ご挨拶

肺塞栓症研究会 名誉世話人
杉本恒明(関東中央病院 院長)

 肺塞栓症は古くから注目されていながら、今なお日常的に経験され、見逃しが警戒され、かつ治療に難儀されているという、そうした意味では新しい疾患であります。また、呼吸器と循環器を始めとする複数の診療科領域にまたがる疾患として、その対応にあたってはそれぞれの専門的な立場における知識と経験の交流が大きな意義を持つものと考えられます。そこで、この度、本研究会が本症に関心を持つ広い範囲の研究者の知見交換の場として企画されました。

 この計画は、中野 赳、国枝武義、栗山喬之の3先生が立案し、私もお誘いを受けて発起人となったものです。私事ですが、本症については昭和30年代の後半、東大第2内科教室に在籍の頃、村尾 誠先生の肺血栓塞栓症に関する一連のお仕事に参加し、心電図現象の臨床的実験研究を分担した懐かしい思い出があります。30年後の今日、再びこの領域の研究発展のお手伝いをすることになり、いささかの感慨があります。

 本研究会は、ゼリア新薬工業株式会社(第9回よりエーザイ株式会社)との共催として年一回開催される予定です。幸い多くの方々のご賛同を得て、第一回の本研究会においては、急性肺塞栓症の診断、治療、内視鏡・静脈エコー・血管造影などの特殊検査、慢性肺塞栓症の治療、などに関するる多彩な演題の提出を頂きました。活発な意見交換が行われ、各位の今後の研究活動の進展と日常診断水準の向上に寄与する研究会となることを心から期待し、願う次第です。

平成6年12月